鍼灸師の専門学校の事

【第3話】鍼灸師の専門学校の事~1年生の授業内容。平成30年度入学者からカリキュラムが変わったんです~

2018年4月から鍼灸師養成の専門学校に通学中の管理人の実体験をシリーズ形式でお伝えしています。

私が入学した平成30年度から全ての柔道整復・鍼灸の養成校は、
平成30年(2018年)4月入学生から総単位数及び履修時間数が引き上げられることとなったのです。

単位修得見直しの検討内容としては、国家試験合格後すぐに開業できる時代の中、質の向上、技術習得へのより充実した教育を確保するためのものだそうです。

厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_322982.html

サトー
サトー
今まで以上の時間的・経済的な負担がかかり始めるといわれた年に入学しちゃいました。。

でも、私はポジティブにとらえ今までの人たち以上に勉強できるのだと割り切っています。(^^)/

1年生の授業内容・カリキュラム

私の通っている専門学校は、1年間を4期制に割り年4回の定期テストを実施しています。

今までは、1年間を2期に分けていたため定期テストが2回行われていたそうですが、範囲が広いためそれはそれで勉強が大変だったそうです。

ただ、定期テストは本当に大変でテスト期間中は、寝不足が続き体調を壊す人が続出するのです。

テスト後は毎回魂が抜けます。

私も徹夜を行い、1年生の時は体調を壊し肺炎にもかかりました・・・
(※息をするのも辛かったのですが休むことができず放置していました。血痰だ出てやばいと思い病院に駆け込んだのですが『肺炎ですが治りかけです』と言われました。先生には、『ごくまれにいるのよ~(笑)肺炎でも治っちゃう人(笑)』と失笑されましたが、無理は禁物だと学んだ出来事でした)

サトー
サトー
そして、プラスして1年生の時は解剖学・生理学・東洋医学概論など様々な授業で毎日小テストがあったため、日々強迫観念に襲われ心身ともに疲弊していました(笑)

ここからは1年生の時に勉強した内容を書いていきます。

人体の構造と機能

これは、解剖学・生理学の授業です。

解剖学は週に2回、生理学は週に1回授業がありました。

解剖学

個の授業では、基礎の基礎の身体の構造を学びます。

人体の最小単位は『細胞』ということや、骨の種類や数・筋の起始停止や作用が週1回、そして臓器の構造を週1回やりました。

私が苦戦したのは中枢神経系です。

ベルーマジャンディの法則とか、よくわからなかったです(-ω-)/

脳神経がどこの穴からでるのか覚えるのも苦戦しました。

いまだに、脊髄毛帯とか内側毛帯とかあやふやです。

生理学

こちらは身体の生理学的な授業です。

神経系や心周期・内分泌系を事細かくやります。

内分泌系は覚えるのに表を作り、ひたすら書いて覚えて定期テストに挑みました。

思い出すだけでも吐きそうです。

基礎鍼灸学

こちらは、東洋医学系の授業です。

主に、東洋医学の基礎とツボの名前を覚える授業をやりました。

東洋医学概論

東洋医学の基礎を勉強します。

東洋医学の成り立ちや歴史、五行色体表からはじまり各臓腑(肝・心・脾・肺・腎など)の生理作用などをやりました。

経絡経穴概論

ツボの勉強です!

WHOで定められている365個のツボと奇穴を覚えました。

太陽膀胱系は数が多すぎて背部兪穴なんかは、なかなか覚えられませんでした・・・

サトー
サトー
でも2年生になり、実技で背部兪穴を使うことが多いので1行線や仙骨部分は頭に入るようになりました。2行線はまだまだです。

基礎講座

これは、鍼灸師として必要であろうコミュニケーション能力を養う授業です。

臨床心理学

著名な臨床心理学の先生の授業でした。

様々なテスト方法を自分で行い新たな自分や深層心理の自分を知ることができました。

フロイトやロジャーズ森田療法・認知行動療法まで幅広く勉強しました。

問診に役立つ授業だったと思います。

異文化コミュニケーション

現代は様々な国の人たちと接する機会が多いです。

それに伴いその国々や個人の文化を尊重しなければならない時代です。

その、コミュニケーションスキルを養う授業だったと思います。

はり基礎実技

文字通り『鍼』と『灸』の実技授業です。

鍼実技

最初は、鍼をうつために必要なを作るとこから始まりました。

ゴルフボールを2個手にの中に入れ行うゴルフボール回しや、片手挿管をやるためにひたすら時間を計って片手挿管をやる授業でした。

これ1年前に練習していた動画です。

たどたどしい。今はこの時よりかは早くでできます。

そこから、実際に自分の下腿にうち、相方に打っていくという流れだったと思います。

最初は怖くて手の震えが止まりませんでした。

片手挿管もできずによく鍼を落としていました・・

意外と奥深く効き目のすごさに驚いたのがお灸でした。

でもね、お灸ってもぐさからちねって身体に置くって難しいのです。

自分の足はお灸練習のやけどの跡が相当数残っています。

1年生の時に練習したもぐさ。半米粒大(米粒の半分の大きさ。のつもり)。

上手い円錐にならないと熱のムラが出て熱のコントロールができず超絶熱いのです。

総合演習

これは、鍼灸師になり開業した際に必須なスキルを身につける勉強です。

私の学校は、自営業の人や年齢が上の人が多いので、卒業してすぐに開業する人も多いのです。

開業に必要なことや、HPの作りかた、ブログでの自分を発信する方法もやりました。

グループで作ったHPやブログはスライドでみんなの前で発表しました。

授業内で作るので時間があまり確保できず、完璧なものができなかったのが心残りです。

私はもともとできるスキルだったので精神的苦痛はありませんでしたが、やったことない人たちは大変だったみたいです。

こんなことまでやらなきゃなんないのだと、げっそりしていました。

その時にグループで作ったHPです。↓↓

https://koba-shinkyub3.amebaownd.com/

まとめ

以上の事を、1コマ90分×2を月曜日から金曜日まで行います。

最初は本当に大変で、しかも38歳の使い古した脳みそにはダメージが大きく、日々体調を崩していました。

特に主婦の人たちは、ここに自分の仕事や家族の世話(子育て・介護など)を毎日当たり前のようにこなすのでげっそりしていました。

しかし主婦は強しで、成績がいいのも特徴なのです。

途中であきらめない(諦められない)精神があるのです。

なので、退学した人たちは多数いますが主婦は少ないのです。

若者たちのほうが『思ったのと違った。こんなに勉強をするとは思わなかった』

と去っていったのでした。

サトー
サトー
とはいっても私も、思ったより大変だ~~。思ったより学校だったとびっくりしました。(笑)

なので、街中にある接骨院や鍼灸院を見るたびに敬意をこめて心の中で頭を下げています。

まとめだよ

1年生の基礎がないと2年生の勉強がちんぷんかんぷんになります。
何事も継続が力になります。日々コツコツと!

因みに我が師匠の射水先生は

射水先生
射水先生
学校なんて片手間で行くんだよ。過去問やっていれば国試は合格するよ。

と言っています。がそれは、ごく一部の天才や秀才ができることです。

※射水先生はすでに開業されていました。

院をやりながら柔道整復師の国家資格を取得したのです。

私みたいな凡人は本気を出さないとだめなのですよ。

ABOUT ME
佐藤 香織
鍼灸師:東洋医学や鍼灸、身体のケアのことを書いています。WEBデザイナーでもあるのでそんなことも少々♪