2018年4月から鍼灸師養成の専門学校に通学中の管理人の実体験をシリーズ形式でお伝えしています。
専門学校の授業スタートは2018年4月2日からでした。
最初は、学生証を作ったり、KC・長白衣や患者着の採寸、教科書の購入、入学式などで本格的な授業が始まったのは第2週の終わりころからでした。
オリエンテーションの毎日
私が通っている専門学校は3年間同じメンバーで切磋琢磨するためか、入学当初はひたすらオリエンテーションをしました。
オリエンテーション
【orientation】
(1)ものごとの進路・方向を定めること。また、それが定まるように指導すること。方向づけ。
(2)新入生や新入社員に対する説明・教育。
(『広辞苑 第六版』P.436より引用)
おこなわれたオリエンテーションの中でも、特につらかったのが何かがあるたびにする『自己紹介』と、グループを作ってひたすら『相手のいいところ・悪いところを発表する』というワークでした。
約30人前後の中で、起立してやる自己紹介。
何も知らない相手のいいところや悪いところを書き出して発表するという鬼のようなワーク・・・
私の通っている学校は割と年齢層が高く、社会人経験のある人も多いのです。・・が、社会人経験をして鍼灸の世界を目指す人たちは、個性の強い曲者が多いというのも特徴なのです。
悪いところを指摘するというワーク中に起こった気まずい出来事
ある程度大人になり、尚且つ経営者ともなればズバズバと意見を言えるというのも特徴であります。
とある日のワーク中の出来事でした。
6人1組で机を並べ、自分以外の全員の良いところと悪いところを発表するというワーク中の出来事でした。
同じグループのきれいなお姉さまがと~~っても気が強いお方だったのです。
悪いところ(直したほうがいいところ)の発表で事件は起こりました。
辛くないの?
など、きつい言い方で指摘するという地獄の時間がはじまりました。
プライバシーの事もあるので、マイルドにそして、性別をわからないように書いていますが、それはそれは地獄のような長い時間でした。
もちろん私も言われましたよ。
内容は忘れましたが、
『そんなこと、あなたに言われても、イライラするだけだわ。』
とも思い反論したかったのですが気持ちを抑え、笑ってスルーしました。
そして、私は悪いところは指摘しないスタンスでいったのです。
これは、賛否両論あると思います。
決して指摘しないのが正しいのではありません。
言えない弱さや、言わない不親切さもあります。
しかし、信頼関係が構築できていないのに、何も知らない他人の良いところ(かもしれない)を、きつい口調で指摘するのはいかがなものかという考えがある上での事です。
いわれた方は、それは長い間へこんでいましたよ。
相談も受けました。
オリエンテーションに意味があるのかの答え


こんな、オリエンテーションに意味があるのか?
当時の私は胃を痛めながら思いました。
そして2年生の半ばとなった今はわかります。
答えは・・
それはね、実技が始まって思ったのですよ。
鍼灸学科は文字通り鍼と灸ができるようになる学科です。
鍼は、身体に鍼を刺すのです。
見ず知らずの、しかも素人に身体を預けて鍼を刺されるのです。
2年生の今は、背中の兪穴の鍼治療も行います。
一歩間違えれば、気胸になるんです。
気胸とはなんらかの原因で肺に穴が開いてしまい、そこから肺の外側の胸腔(きょうくう)内に空気が漏れ、肺がしぼんだ状態をいいます。
引用元:https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/pneumothorax/
自己紹介では、みんな目標や想いだけではなく、自身の持っている病を話してくれる方も多いです。
自分の病(鬱など)が鍼治療でよくなっかことから、鍼灸師を志した方もいます。
良いところ・悪いところの指摘は、相手に目を向けてお互いを知る・コミュニケーションをとるという意味では大きな意義があります。
私が勝手に思うことですが、鍼や灸の技術は性格にリンクするなあ~って感じています。
丁寧な鍼灸、鮮やかな鍼灸、雑な鍼灸、乱暴な鍼灸はその人の素行に見事に当てはまっています。
私たちは、学生なので下手で当然です。
だから、真剣に練習するのです。
相手に身体を預ける覚悟。
それは、1年生の時のオリエンテーションで培われました。
私が通っている鍼灸学科の最初の授業はコミュニケーションを図るための『オリエンテーション』がメインでした!