まだまだ若輩者ではありますが、自身の経験を生かした身体のケアの豆知識や、施術のことを書いています。
あくまでも私の思うことですので、そんな方法や考え方もあるんだくらいに思っていただけましたら幸いです。
※効果効能については、保証するものではありません。疾病・疾患などはきちんと病院で診断・治療をしてもらってください。
前脛骨筋を緩めてみたら爽快な排便があった話
2週間くらい前、知人のAさん(45歳)から
「すねの前の筋肉が張りすぎて歩くのが辛い」
と相談がありました。
すねの前を触ってみると、見事に【前脛骨筋】の部分が張っていました。
※青の部分が前脛骨筋です。
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)tibialis anterior muscle
主な働き | 足関節の背屈、足の内反 |
---|---|
神経支配 | 深腓骨神経 |
付着部 | 起始:脛骨の外側上部2/3 停止:内側楔状骨の内側面、第1中足骨底 |
作用 | 足関節の背屈。足の内反。 |
とにかく目視でも張りが強いので主にどこが張っているのかと、もう少し丁寧に触っていきました。
すると、主に足三里(あしさんり)と下巨虚(げこきょ)というツボの部分に強い張りと圧痛の訴えがありました。
「あ~。そこ、ひびく~」
とAさん。
足三里と下巨虚とは、足の陽明胃経のツボです。


足の陽明胃経(あしのようめいいけい、中国語 足陽明胃經 zú yángmíng wèijīng、英:The Stomach Meridian of Foot-YangmingもしくはZu Yangming Weijing)とは胃経に属する足を流れる陽経の経絡である。胃と脾は共に中国の五行(木、火、土、金、水)でいうと土に属するため密接な関係を持つ。また、流注によると胃はもとより、大腸や小腸のまわりを取り囲んでいるため腹痛にこの胃経の経穴を使うこともある。胃経の募穴は中脘穴(任脈)。
Wikipediaより抜粋
簡単に言うと胃に効くツボが多い場所です。
前脛骨筋の通過する場所は、まさにこの陽明胃経が通る場所なのです。
そして足三里は足の陽明胃経の下合穴、下巨虚は手の太陽小腸の下合穴です。


ざっくりいうと、胃と小腸に効く場所なのです。
Aさんに、生活のことを聞くと
「最近運動不足だったんだけど、久しぶりにショッピングにいったら足が疲れたのよ。」
とのこと。
食生活のことを聞くと
「食べ過ぎ。」
と即答。
時間がなかったので、邪道と言われてしまうでしょうが私は硬結・圧痛がある場所へ鍼を打ち、パルス(電気)を15分流しました。
実は、鍼灸の世界では「痛いところに単純に鍼を打つなんて邪道だ!」と言われる先生方もいるので、こんな単純な治療をコラムで書くのは戦々恐々な思いなのですが・・・
15分が経ち鍼を抜き、足の軽さや動きを確認してもらいました。
Aさん曰く、
「軽いし、足が楽になった!ありがとう!」
とのこと。
患者さんに喜んでいただければ良しです。
その日はここで終わったのですが、後日AさんからLINEがきたのです。
「香織ちゃん!!あのあと、足が楽だったのはもちろんなんだけど、めっちゃう〇ちがでた~(笑)
もともと便秘じゃないんだけど、爽快すぎてLINEした(^^)/ありがとう!!」
そう、思いもよらぬ副産物の報告でした。
単純ですが、胃と腸が動いて便が出たのかもしれません。
自分の前脛骨筋に鍼をしたらお腹が動いた
そして先日、練習も兼ねて自分の前脛骨筋にも鍼&パルスをしてみました。




私の圧痛は足三里と上巨虚(大腸の下合穴)にありましたのでそこにカナケンの中国鍼(桃色)を2センチ刺入し15分パルスをかけました。
その時の様子を撮影したので一応アップします。
治療が終わり、気が付きました。
そう、おなか全体がぐるぐる動いているのです。
「え~~~??そんな単純に動くの??」
とびっくりしましたが、その直後便意を催し排便。
それはそれは爽快な排便となりました。
もう、びっくりです。
ちなみに私も便秘ではありません。
しかし、年齢と呼吸の浅さがあり内臓の機能が低下している自覚はありました。
もしかしたら、内臓の動きが悪い人にいいのかもしれません。
確かに今までの経験上、膝下のエステだけでも便意を催す方は多々いらっしゃいました。
今回はツボの意識してコラムを書きましたが、単純に全身の循環が良くなる下腿を施術すると、内臓にも影響を及ぼすと考えるほうが賢明かもしれません。
しかし、圧痛や硬結がある場所には何かがあるのです。
ピンポイントで考えると、やはりツボの考え方を頭に入れておくのもいいと思うのです。
東洋医学では便秘の種類によってツボが変わります。
足にある前脛骨筋は胃腸に影響を及ぼします。便秘の人はほぐすといいですよ!!